「トリガール!」中村航~鳥人間コンテストに賭ける大学生の青春小説~【ネタバレなし】【あらすじ・感想】

こんにちは。シーアです。(@seer_1118

鳥人間コンテストとは

毎年夏に、滋賀県の琵琶湖で行われる、人力プロペラ機・滑走機の飛行距離・飛行時間を競うコンテストです。

大学のクラブ・サークル単位での出場が主で、OBが出身校や他チームにアドバイスすることもあるそうです。

各チーム、機体を作るにも費用がかかるので、スポンサー企業に支援してもらったり、資材を安く分けてもらって、運営されています。

テレビ放送もされるので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。ちなみに、私の叔父は鳥人間コンテストに出たことがあるそうです(笑)

トリガール! 〜鳥人間コンテストに賭ける、鳥山ゆきなの青春〜

  • 内容紹介(「BOOK」データベースより)

ひょんなことから人力飛行機サークルに入部した大学1年生・ゆきな。エンジョイ&ラブリィな学生生活を送るはずが、いつしかパイロットとして鳥人間コンテストの出場をめざすことに。個性豊かな仲間と過ごす日々には、たった1度のフライトにつながる、かけがえのない青春が詰まっていた。年に1度の大会で、ゆきなが見る景色とは―。恋愛小説の旗手が贈る、傑作青春小説。

 

個性的すぎる、愛おしい登場人物たち!

登場人物のキャラクターが濃いんです! みんな一癖あって、愛おしくなってしまいます。コメディ要素が強く、笑ってしまう場面がいっぱいあります。

  • 鳥山ゆきな…1年浪人して、工業大学へ。ゆるふわ大学生活を夢見ていたが、流れでT.S.L.のパイロットに。
  • 島村和美…実家の町工場を継ぎたくて、機械工学部へ。プロペラの機械美に興奮する機械女子。
  • 高橋圭…T.S.L.の1stパイロット。人を転がすのが得意な、中性的さわやか男子。訓練はストイック。
  • 坂場先輩…T.S.L.の2stパイロット。2年前の飛行失敗がトラウマで、飛ぶのが怖くなってしまった。驚異の出力を誇るが減量が必要。
  • ペラ夫さん…神出鬼没の謎の先輩。言ってることが難しすぎて誰にもわからない。

T.S.L.には、パイロット班のほかにも、プロペラ班、翼班、フレーム班、フェアリング班、電装班、庶務班などがあります。

100名以上のメンバーがいて、それぞれあだ名というかコードネームで呼ばれています。

苗字が鳥山だというだけで、人力飛行機サークルT.S.L.に入部

特にやりたいことも目標もなく、工業大学に入った鳥山ゆきな。和美と圭に乗せられて、さほど熱意のないままに、人力飛行機サークルT.S.L.に入部しました。

単に苗字だけが理由の無茶ぶりに、思わず笑ってしまいます。

「鳥山ってことは…なあ?」

「バードマウンテンってことだ」

「入ろう!」

「鳥山だから入ろう!」

「鳥山なんだから入ろうよ!」

「そうだよ! 鳥山でしょ?」

「鳥山って凄いよ!」

ゆきなは、断りきれないだけでなく、このサークルに入ることも運命なのかもしれないとすら思ってしまいます。流されやすい子なんです。

きっと世界で一番、わたしは飛びたいと願っている

そして、ゆきなはT.S.L.の人力プロペラ機「アルバトロス」のパイロットになりました。最初は、全くペダルが回せなかったり、足がつったり、目指す出力に届かず、悔しい思いをします。

挫折したとき、当初目指していたように、ゆるふわでエンジョイ&ラブリィな女子大生に戻ろうとしたけれど…

ゆきなは、悔しい気持ちをバネにして、ギャフンと言わせてやろうと奮起するタイプ。そして、やっぱり、空に魅入られてしまいます。

飛びたい!

胸の思いが、はちきれそうだった。

やりたいことが何かなんて、ずっとよくわからなかった。大学に入る前も、入ったときも、本当にやりたいことが何かなんて、全然わからなかった。

だけど今はもう確信を超えてわかる。わたしは飛びたい。猛烈に飛びたい。きっと世界で一番、わたしは飛びたいと願っている。

 

みんなの思いを乗せて、愛で飛ぶ

ゆきなたちパイロットだけではありません。人力プロペラ飛行機は、機体の各部品を作るために、たくさんの人の力が必要です。

プロペラ班の和美をはじめ、制作チームは、少しでも軽い機体を作ろうと、知恵を絞って、工夫を重ねています。

制作チームは、徹夜で機体を調整しますが、決して自分たちの作ったプロペラ機に乗ることができません。

整備や設計、経理…様々な人の努力によってできあがったアルバトロス。たった一度のフライトに賭けて、パイロットに思いを託します。

みんなの思いを乗せて、責任じゃなく、愛で飛ぶ。

「T.S.L.スカーイ」「ハイッ!」

あー、ここに私も参加したい! 置いてきてしまった青春心がうずきます。いいな、青春!

さわやかなLOVE要素もあり、読後感、めちゃくちゃ爽快です。サクサク軽く読めます。普段、小説を読まない方にもオススメできちゃいます。

 

土屋太鳳さん主演で、実写映画化

2017年に映画化されました。

土屋太鳳さんが鳥山ゆきな役です。ちょっと美人すぎるかな、と思うけど、フレッシュでいい感じですね。

坂場先輩は間宮祥太朗さん。って、ちょっとかっこよすぎませんか!?もっとゴリラみたいでゴツい人のイメージ。

圭は高杉真宙さん。仮面ライダー鎧武でよく見ていたので勝手に感慨深いです。

映画では、ゆきなが圭に憧れてる設定だそうです。小説では、圭が乙女なせいか、そういう関係じゃなかったんですけどね。原作小説から入るか、実写映画から入るか…あなたはどちら派ですか? 私は原作が先派かなぁ~。