鳥人間コンテストとは、人力プロペラ機・滑走機の飛行距離・飛行時間を競うもの。
毎年夏に、滋賀県の琵琶湖で行われています。
テレビ放送もされるので、ご存知の方も多いのではないでしょうか?
ちなみに、私の叔父は鳥人間コンテストに出たことがあるんだって!
そんなことどうでもいいよ…。
そんな鳥人間コンテストを舞台にした、大学生たちの青春小説をご紹介します。
さわやかな気分にさせてくれる、爽快なコメディ風味スポーツ小説です。
「トリガール!」の魅力を解説します!
「トリガール!」中村航|個性的な登場人物
「トリガール!」の登場人物たちは、みんな一癖あって、愛おしくなってしまいます。
登場人物のキャラクターが濃い!
- 鳥山ゆきな…1年浪人して、工業大学へ。ゆるふわ大学生活を夢見ていたが、流れでT.S.L.のパイロットに。
- 島村和美…実家の町工場を継ぎたくて、機械工学部へ。プロペラの機械美に興奮する機械女子。
- 高橋圭…T.S.L.の1stパイロット。人を転がすのが得意な、中性的さわやか男子。訓練はストイック。
- 坂場先輩…T.S.L.の2stパイロット。2年前の飛行失敗がトラウマで、飛ぶのが怖くなってしまった。驚異の出力を誇るが減量が必要。
- ペラ夫さん…神出鬼没の謎の先輩。言ってることが難しすぎて誰にもわからない。
鳥人間コンテストは、大学のクラブ・サークル単位での出場がメイン。
各チーム、機体を作るにも費用がかかるので、スポンサー企業に支援してもらったり、資材を安く分けてもらって、運営されています。
T.S.L.には、パイロット班のほかにも、プロペラ班、翼班、フレーム班、フェアリング班、電装班、庶務班などがあります。
100名以上のメンバーがいて、それぞれあだ名というかコードネームで呼ばれています。
また、ペラ夫さんのような、長年いる先輩やOBが、出身校やチームにアドバイスすることも一般的。
「トリガール!」中村航|あらすじと内容
特にやりたいことも目標もなく、工業大学に入った鳥山ゆきな。
和美と圭に乗せられて、さほど熱意のないままに、人力飛行機サークルT.S.L.に入部しました。
「鳥山ってことは…なあ?」
「バードマウンテンってことだ」
「入ろう!」
「鳥山だから入ろう!」
「鳥山なんだから入ろうよ!」
「そうだよ! 鳥山でしょ?」
「鳥山って凄いよ!」
単に苗字だけが理由の無茶ぶりでしたが、ゆきなは、断りきれないだけでなく、このサークルに入ることも運命なのかもしれないとすら思ってしまいます。
なんて流されやすい子…!
こんな感じで、コメディ要素が散りばめられていて、思わず笑ってしまう場面が魅力なのです。
きっと世界で一番、わたしは飛びたいと願っている
ゆきなはT.S.L.の人力プロペラ機「アルバトロス」のパイロットになりました。
最初は、全くペダルが回せなかったり、足がつったり、目指す出力に届かず、悔しい思いをします。
挫折したとき、当初目指していたように、ゆるふわでエンジョイ&ラブリィな女子大生に戻ろうとしたけれど…
ゆきなは、悔しい気持ちをバネにして、ギャフンと言わせてやろうと奮起するタイプ。
そして、やっぱり、空に魅入られてしまいます。
飛びたい!
胸の思いが、はちきれそうだった。
やりたいことが何かなんて、ずっとよくわからなかった。大学に入る前も、入ったときも、本当にやりたいことが何かなんて、全然わからなかった。
だけど今はもう確信を超えてわかる。わたしは飛びたい。猛烈に飛びたい。きっと世界で一番、わたしは飛びたいと願っている。
みんなの思いを乗せて、愛で飛ぶ
ゆきなたちパイロットだけではありません。
人力プロペラ飛行機は、機体の各部品を作るために、たくさんの人の力が必要です。
プロペラ班の和美をはじめ、制作チームは、少しでも軽い機体を作ろうと、知恵を絞って、工夫を重ねています。
制作チームは、徹夜で機体を調整しますが、決して自分たちの作ったプロペラ機に乗ることができません。
整備や設計、経理…様々な人の努力によってできあがったアルバトロス。
たった一度のフライトに賭けて、パイロットに思いを託します。
みんなの思いを乗せて、責任じゃなく、愛で飛ぶ。
「T.S.L.スカーイ」「ハイッ!」
あー、ここに私も参加したい!いいな、青春!
若い方は共感しながら読めますし、大人は青春を感じながら読めますよ。
さわやかな恋愛要素もあり、読後感、めちゃくちゃ爽快。
サクサク軽く読めて、普段、小説を読まない方にもオススメできます。
「トリガール!」土屋太鳳さん主演で実写映画化
2017年に、土屋太鳳さんが鳥山ゆきな役で、映画化されました。
ちょっと美人すぎるかな、と思うけど、フレッシュでいい感じですね。
坂場先輩は間宮祥太朗さん。
…って、ちょっとかっこよすぎじゃない!?
もっとゴリラみたいでゴツい人のイメージ。
圭は高杉真宙さん。仮面ライダー鎧武でよく見ていたので勝手に感慨深いです。
映画では、ゆきなが圭に憧れてる設定だそうです。
小説では、圭が乙女なせいか、そういう関係じゃなかったんですけどね。
原作小説から入るか、実写映画から入るか…あなたはどちら派ですか?
私は原作が先派かなぁ~。
「トリガール!」中村航|鳥人間コンテストを舞台にした青春小説
「トリガール!」は、個性的な大学生たちが、鳥人間コンテストに情熱を燃やす、さわやかな青春ストーリー。
読んでいるうちに、一緒にペダルを踏んでいるかのような、一体感が味わえます。
置いてきてしまった青春を取り戻したい、大人にこそおすすめの作品。
ゆきなと一緒に空を飛んでみませんか?
何かに一生懸命になる姿って、見ていて気持ちいいよね!
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