こんにちは。シーアです。(@seer1118b)
ミステリー小説の醍醐味は、あっと驚く展開や、謎解きの要素。
華麗に騙されたい、刺激的なストーリーを楽しみたい方におすすめの小説をご紹介します。
「こわれもの」浦賀和宏
主人公は人気漫画家。婚約者の死をきっかけに物語が始まります。
初版が2002年と古い本ですが、少し時代を感じさせる部分があったとしても、十分楽しめますよ。
「こわれもの」浦賀和宏|出会いのきっかけ
5年ほど前のこと。
本屋さんに平積みになっていた「こわれもの」の文庫本に、立ち読み厳禁!という帯があって、衝動買いしました。
この作品の初版は2002年と、かなり前。
新装版の文庫本になって、再度刊行されましたが、作品中に出てくる、手紙などの手法が古臭いのは否めません。
しかし、今読んでも遜色なく、ラストには驚かされますよ。
「こわれもの」浦賀和宏|あらすじ・内容
人気漫画「スニヴィライゼイション」の作者、陣内龍二。
婚約者の里美が突然の交通事故で亡くなったショックから、作品中のヒロイン・ハルシオンを殺してしまいます。
漫画の中とはいえ、熱狂的なファンも多いハルシオン。
主要キャラクターの、ストーリーを無視した意味のない死に、反発は大きく、陣内は批判を浴びます。
「唐突過ぎる? 伏線も張らない? 冗談じゃない。一体、現実のどこに、『唐突でない死』がある? 『唐突』であって当然だ。『伏線』がないのも当たり前だッ。現実は、そういうふうに出来てる。漫画とは違うッ」
しかし、バッシングの嵐のファンレターの中に、里美の死を予言した手紙がありました。
陣内は、差出人の神崎美佐にコンタクトを取ります。
神崎は、人の死が予知できると言いますが…本当でしょうか?
「信じてもらえないのは仕方がない」と言いながらも、次々と予知能力が真実であると信じざるを得ない事件が起こります。
編集者の立花、ベテランアシスタントの細野、歪んだファンの三橋…など、どの登場人物にも、何かしらの思惑があるようで、疑わしく思えてきます。
それぞれの行動が重なり合って、結末は二転三転。
恋人の死は予知されていたのか? 未来は変えられるのか?
ラストの展開が読めた、と思っても油断できない
普段、トリックに簡単に騙される私でも、「こわれもの」のラストのうち一部は予想できました。
ですが、それを超える展開が待っていたんです…!
次の展開が気になってどんどん読み進めてしまうし、ラストの、そのさらに先まで気になります。
勘のいい読者の方は、結末の要素をほとんどわかってしまった人もいるかもしれませんが、私は完全に翻弄されていました。
浦賀和宏さんの他の著書「彼女は存在しない」
「彼女は存在しない」は、多重人格をテーマにした殺人ミステリーとして話題になりました。
近親相姦やカニバリズム、同性愛、ヲタク文化への批判などを作品中に描くことが多く、刺激的な問題作を次々と発表されています。
「こわれもの」は、そんな読者にもとっつきやすい初級編と言えます。
「こわれもの」浦賀和宏|ミステリー好きにおすすめの小説
トリックの巧妙さはもちろん、ヒントとなる出来事の起こり方、犯人を探すあまり全員疑ってしまう心情など、「わかる!」と思わせてくれます。
描写が分かりやすく直接的なので、普段本をあまり読まない方でも大丈夫。
ぜひ、陣内の目線で、一緒に謎解きにチャレンジしてみてくださいね。
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ラストの衝撃度合いは「サクリファイス」「エデン」も秀逸です。
こちらは単なるミステリーではなく、自転車のロードレースというスポーツを舞台にしています。
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