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「フーガはユーガ」伊坂幸太郎|悲惨な境遇を生き延びた双子の、痛快ヒーローストーリー

フーガはユーガ

こんにちは。シーアです。(@seer1118b

虐待、いじめ、残酷な事件。

理不尽で悲惨な日常を、ふたりで生きてきた双子たち。

そんなふたりが巻き起こす、痛快なヒーローストーリーをご紹介します。

フーガはユーガ 伊坂幸太郎

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伊坂ワールドではおなじみの、前半の伏線を回収していく展開に、ワクワクが止まりません!

ままならない日々の中で、年に1回起こる「アレ」が、二人を支えていました。

ライト
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「アレ」って…なに?
シーア
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「フーガはユーガ」を解説します!
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「フーガはユーガ」のあらすじ

  • 常盤優我…双子の兄。成績が良くて、落ち着いた性格。
  • 常盤風我…双子の弟。運動神経がよくて、無鉄砲な性格。

ふたりは、幼い頃から父親の暴力を受け、母親は見て見ぬふりをする…そんな家庭に育ちました。

ふたりには、5歳のときに初めて起こった「アレ」が心の支え。

「アレ」とは…、誕生日にだけ2時間おきに入れ替わること

シーア
シーア
そんなことありえない…と思うようなことがあるのが、伊坂ワールド!

物語は、優我が過去を回想して、高畑という男に話して聞かせているシーンから始まります。

高畑は、「不思議な動画がある」と優我に見せてきましたが、その場面こそが「アレ」が起こって優我と風我が入れ替わった瞬間。

そして、優我は、高畑に「アレ」に関する説明と、子ども時代からの出来事を話すのでした。

目を覆いたくなるような、生々しい暴力

本作には、残酷な描写が多く含まれています。

二人の父親は、本当にくだらない、例えば「ソースがない」といったことで機嫌を損ね、暴力を振るう。

圧倒的な力と恐怖で、反抗できないように支配された日常。

シーア
シーア
実を言うと、子どもがひどい目にあったりする作品は、ちょっと苦手…。

双子には、普通の兄弟にはない、通じ合う力があると言われています。

ふたりだから、理不尽な日々も、なんとか耐えてこられた…と言いたいところですが、風我はあくまでも飄々としているし、優我もおとなしいようで結構したたか。

ライト
ライト
暗くなりすぎず、明るく読めるよね!

悪意に囲まれながら、悪に立ち向かうしぶといヒーロー

ふたりの周囲は、父親以外にも様々な悪意に満ちています。

  • ワタボコリ(あだ名)をいじめる、金持ちの同級生。
  • 小玉(風我の彼女)を虐待して、見世物にする叔父と、ショーを見に来る客。
  • 小学生を繰り返し誘拐監禁する殺人犯。
  • 犯罪者を罪に問われないようにかばう弁護士。
シーア
シーア
なんでこんなろくでもない世界なの…!?

ふたりは、暴力的な父親と無関心な母親という、自分たちにふりかかる日々の脅威で精いっぱい。

だから、「ワタボコリをいじめから守ってやらなきゃ」というような、ストレートな正義感は持ちえません。

だけど…無抵抗な他者を踏みにじって、理不尽に痛めつける存在は、嫌でも父親を思い出させます。

ライト
ライト
そんなの許せない、って思うんだね。

はっきりとした正義じゃないし、自分が気に入らないから動いているだけで、極論自分のためだとも言えます。

優等生のヒーローじゃなく、自分の感情がまず先にあるところに、かえって生身の人間らしさを感じます。

「フーガとユーガ」ではなく、「フーガはユーガ」。ふたりはイコール

シーア
シーア
なんとなく、タイトルは「フーガとユーガ」だと思ってた!

読み終わった今は、「フーガはユーガ」がしっくりきます。

ふたりは、withやandではなく「=(イコール)」の関係。

風我は優我で、優我は風我。裏と表、光と影のように。

風我が殴られると、優我も同じように痛いし、苦しい。

優我が経験したことは、風我の体験でもある。

だからこそ、ふたりは誕生日にだけ入れ替わるのかもしれません

中途半端で、何の役に立つのかわからない能力だけど、ふたりは持ち前の手強さで、うまく活用していくのです。

伊坂ワールド全開!鮮やかに伏線を回収していく

ライト
ライト
最後に、キレイに謎が解けていくのが気持ちいいよね!

伊坂幸太郎作品の醍醐味とも言える、鮮やかな伏線回収の手腕。

ですが…本作に登場する暴力、虐待、殺人。どれも、取り返しがつくものではありません。

深い傷は消えないし、忘れることもできない。

失われた命は、取り戻すことができない。

だから、彼らがどんなに頑張っても、何も挽回できないのかもしれません。

シーア
シーア
もしそうだとしても、悪をそのままのさばらせてはおけないのが、彼らのいいところ!

どんな結末を迎えても、覆せない現実がある…それでもなお、動いてしまうのが風我と優我なのです。

僕の弟は僕よりも結構、元気です。

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関連記事

伊坂幸太郎作品は、人が死んだり暴力的な表現があるものも多いですが、不思議と読後感は爽快なのが特徴。

作品同士がリンクしていて、「フーガはユーガ」には、「砂漠」の登場人物がちょっとだけ登場しますよ。

「砂漠」伊坂幸太郎~その気になれば、砂漠に雪を降らせることができる。【あらすじ・感想】こんにちは。シーアです。(@seer1118b) その気になれば、砂漠に雪を降らせることができるかもしれない。 そんな夢みた...
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