本屋大賞は、全国の書店員のみなさんが、売場からベストセラーを生み出そうという意図で設立されたもの。
本に詳しい書店員さんが選ぶので、どれも面白くて、ハズレなしの名作ばかり!
この記事では、2019年の本屋大賞の大賞受賞作&ノミネート作品と、レビュー記事をまとめました。
- そして、バトンは渡された/瀬尾まいこ 435点
- ひと/小野寺史宜 297.5点
- ベルリンは晴れているか/深緑野分 282.5点
- 熱帯/森見登美彦 250.5点
- ある男/平野啓一郎 242.5点
- さざなみのよる/木皿泉 239.5点
- 愛なき世界/三浦しをん 208.5点
- ひとつむぎの手/知念実希人 167.5点
- 火のないところに煙は/芦沢央 151.5点
- フーガはユーガ/伊坂幸太郎 136.5点
- 本屋大賞とは、書店員が自分のお店で売りたい・おすすめしたい本を選ぶ賞
- 2019年、本屋大賞受賞作&ノミネート作品の感想・レビュー
- 「そして、バトンは渡された」瀬尾まいこ|父親が3人、母親が2人。優しくあたたかい、新しい家族の形
- 「ひと」小野寺史宜|親を亡くしたお人好しの青年が、人に頼ることを覚える1年間
- 「ベルリンは晴れているか」深緑野分|戦後のベルリンで、殺人容疑をかけられた少女の旅
- 「熱帯」森見登美彦|この本を最後まで読んだ人はいない…謎めいた本をめぐる連作短編集
- 「ある男」平野啓一郎|愛した人は、まったくの別人だった…衝撃の真実
- 「さざなみのよる」木皿泉|亡くなってもなお残る、人の生きた証。
- 「愛なき世界」三浦しをん|ライバルは草だった!お料理男子と理系女子の恋
- 「ひとつむぎの手」知念実希人|ミステリーと医療ドラマが融合された、社会派小説
- 「火のないところに煙は」芦沢央|作家が過去の凄惨な体験を元に描く、暗黒ホラーミステリー
- 「フーガはユーガ」伊坂幸太郎|不思議な能力を持った双子のヒーローが活躍!
- 本屋大賞は名作ぞろい。ヒット作候補がいっぱいで目が離せない!
本屋大賞とは、書店員が自分のお店で売りたい・おすすめしたい本を選ぶ賞
2019年本屋大賞ノミネート作品はこちらの10冊になりました。大賞発表は4月9日です。みなさんもぜひ読んで楽しんで予想してみてください! pic.twitter.com/l86VzFKRde
— 本屋大賞 (@hontai) 2019年1月22日
本屋大賞は、2004年のスタートから右肩上がりに盛り上がっています。
全国の書店員さんが、「おもしろかった!」「お客様にもおすすめしたい」「自分のお店で売りたい」と思う本に投票して、大賞が決まります。
- 12月 1次投票スタート
- 1月初旬 1次投票〆切
- 1月下旬 ノミネート作品発表、2次投票スタート
- 2月末 2次投票〆切
- 4月初旬 結果発表
参加資格は、正社員でもアルバイトでも、書店員であること。
1次投票では、1人3作品を選んで投票します。
2次投票では、ノミネート作品をすべて読んで、全作品に感想コメントを書いた上で、ベスト3まで順位をつけて投票。
量的には読めなくはないけど、しっかり感想まで書いて投票するとなると、かなりハードルが高そうです。
出版業界に新しい流れを作ろう、書店をもっと活気づけよう、という意気込みを感じられますね。
2019年、本屋大賞受賞作&ノミネート作品の感想・レビュー
2019年の本屋大賞、大賞受賞作とノミネート作品、合計10作品をご紹介します。
大賞受賞作はもちろん、ノミネート作品も一次選考で10位以内にランクインした事実があるので、どれも面白さは保障されたようなもの。
私が読了した作品は、レビュー記事を書いているので、ぜひ合わせてご覧くださいね。
「そして、バトンは渡された」瀬尾まいこ|父親が3人、母親が2人。優しくあたたかい、新しい家族の形
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瀬尾まいこさんは、とにかく優しくて救われるお話を書く作家さん。
「温室デイズ」「図書館の神様」「天国はまだ遠く」「あと少し、もう少し」など、いくつも読みました。
心が疲れたときに、清涼剤のようにスッと入ってくる作品たち。
「そして、バトンは渡された」は、父親が3人、母親が2人もいて、苗字が3回も変わった女の子、優子のお話。
主人公の優子は、まったく不幸じゃなくて、いろんな親の愛を注がれていて…家族の新しい形を見せてくれますよ。
「ひと」小野寺史宜|親を亡くしたお人好しの青年が、人に頼ることを覚える1年間
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小野寺史宜さんは、「みつばの郵便屋さん」シリーズで、郵便配達員の心温まるお話を書かれていました。
主人公の柏木聖輔は、小さい頃父親を亡くし、女手一つで大学に進学させてくれた母も、二十歳の秋に亡くしました。
大学を中退し、たまたま出会ったコロッケ屋さんで働き、周りの人に支えられて生きる1年間を描きます。
いちばんの感動シーンは、今まで、何かを人に譲ってばかりいた聖輔が、物語の最後に口にするセリフ。
この一言を聞くために、「ひと」を読んでほしいと思います。
「ベルリンは晴れているか」深緑野分|戦後のベルリンで、殺人容疑をかけられた少女の旅
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舞台は、第二次世界大戦後のベルリン。
ナチス・ドイツが戦争に敗れ、アメリカ・ソ連・イギリス・フランスの4ヶ国の統治下に置かれたベルリンは、荒廃して緊迫した状況でした。
ドイツ人の少女、アウグステは、殺人犯の疑いをかけられますが、亡くなった男の甥に死を知らせるために、陽気な泥棒のジギとともに旅立ちます。
狂気や欲望、誰を信じたらいいのかわからない…そんな混乱した世情の中、ふたりはどうなるのでしょうか?
「熱帯」森見登美彦|この本を最後まで読んだ人はいない…謎めいた本をめぐる連作短編集
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森見登美彦さんといえば「夜は短し歩けよ乙女」が有名。
「熱帯」というタイトルの本を探し求める森見登美彦は、「沈黙読書会」という催しに参加。
この本の秘密を知るという女性に「この本を最後まで読んだ人はいない」と、謎めいた警告を受けます。
森見登美彦自身が主人公で始まるのも奇妙だし、著者が自分で「怪作」と言うくらい、不思議な作品です。
「ある男」平野啓一郎|愛した人は、まったくの別人だった…衝撃の真実
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主人公の里枝は、子どもを亡くした過去を乗り越え、「大祐」という男と再婚しますが…「大祐」が亡くなったあと、まったくの別人だったと発覚します。
いったい自分の愛した男は何者だったのでしょうか。
謎を解き明かすべく、かつて離婚した際にお世話になった、弁護士の城戸に相談します。
戸籍の売買、在日3世などの社会問題も浮き彫りになる、静かな問題作。
「さざなみのよる」木皿泉|亡くなってもなお残る、人の生きた証。
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木皿泉さんとは、脚本家の和泉務さん、妻鹿年季子さん夫妻が共著される際のペンネーム。
「昨夜のカレー、明日のパン」をはじめ、人の生と死をあたたかく見守るような作品が特徴です。
「さざなみのよる」は、43歳で亡くなったナスミの、周囲の人々の視点で描かれます。
ナスミがいなくなったあとも、家族や同級生らの人生のワンシーンには、ナスミの生きた証が雫のように波紋を広げているのです。
「愛なき世界」三浦しをん|ライバルは草だった!お料理男子と理系女子の恋
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三浦しをんさんは、「舟を編む」「まほろ駅前多田便利軒」「神去なあなあ日常」「風が強く吹いている」など、シリアスからコメディまで幅広い作風が魅力。
「愛なき世界」は、お仕事小説の要素が入ったコメディ寄りの作品。
洋食屋で働く藤村くんが恋したのは、大学院で植物の研究に没頭する本村さん。
彼女は、三度の飯より植物が好き…だから恋のライバルはガチで「草」なんです!
サボテンを増殖させる同級生、イモに惚れ込んだ老教授…個性的すぎる人たちに囲まれています。
「ひとつむぎの手」知念実希人|ミステリーと医療ドラマが融合された、社会派小説
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知念実希人さんは、現役医師のミステリー作家で、病院が舞台だったり、医師が主人公の作品が多いのが特徴。
「優しい死神の飼い方」「仮面病棟」などを読みましたが、深い医療の知見が作品にも活かされていて、医療関係者からも評価が高いんです。
「ひとつむぎの手」は、大学病院で勤務する心臓外科医が主人公。
3人の研修医たちを指導し、入局を果たすことができれば、念願の昇進が叶います。
そんなとき、医局のトップである教授が薬剤臨床試験データを捏造しているという怪文書が出回り、犯人探しまで命じられてしまいます。
権力に屈するのか、正義を貫くのか…決断を見届けるまで目が離せません。
「火のないところに煙は」芦沢央|作家が過去の凄惨な体験を元に描く、暗黒ホラーミステリー
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芦沢央さんは、「悪いものがきませんように」「今だけのあの子」を読んだことがあります。
繊細な心情の描写、ラストのどんでん返し、ヒヤッとするようなホラー感…嫌な後味の残る作風は、湊かなえに通ずる印象。
「火のないところに煙は」は、作家が主役で、「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」という依頼から始まります。
作家は、過去に体験した凄惨な事件を元にして、作品を書き上げ、事件の解決のきっかけになればと目論みますが…。
「フーガはユーガ」伊坂幸太郎|不思議な能力を持った双子のヒーローが活躍!
(2024/10/08 08:52:35時点 Amazon調べ-詳細)
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伊坂幸太郎さんは、「ゴールデンスランバー」「ラッシュライフ」「陽気なギャングが地球を回す」「砂漠」などが有名。
双子の兄弟、風我と優我は、父親に日常的に虐待される過酷な家庭環境で、したたかに生きてきました。
ふたりには、誕生日の1日だけ、体と心がお互い入れ替わるという、便利なような使えないような…なんとも言えない能力がありました。
たとえば暴力で他者を押さえつけるような、世の中に満ちている悪意が許せなくて、彼らは彼らなりの方法で立ち上がるのです。
本屋大賞は名作ぞろい。ヒット作候補がいっぱいで目が離せない!
日々刊行される小説の中には、有名作家の新作もあれば、なかなか注目されないマイナーな作品もあります。
数多くの小説の中から、名作を投票で選ぶ書店員さんの熱意は、さすがとしか言いようがありません。
大賞を取った作品でも、万人が高評価なわけではなく、「つまらない」という感想を抱く人もいます。
私は、2位だった小野寺史宜さんの「ひと」がイチオシかな。
大賞を取った、瀬尾まいこ「そして、バトンは渡された」もめっちゃ良かったですけどね。
新しい本との出会いのきっかけとして、本屋大賞を上手に活用してほしいな。
大切なのは、順位じゃなく、自分の気に入った作品を見つけること。
私自身、まだ読んでいない作品もあるので、これから読破していくのが楽しみです。
本を読みたいけれど、かさばるから持ち運びにくい、置く場所がない…とお悩みの方には「Kindle」がおすすめ。
いつでもどこでも、片手で読めるから便利。
私は、防水のiPhoneをお風呂に持ち込んで、Kindleで読書しています。
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