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「麦本三歩の好きなもの」住野よる|20代図書館員女子の何気ない日常が愛おしい小説

mugimotosampo

こんにちは。シーアです。(@seer1118b

好きなものがたくさんあると、毎日はきっと楽しい。

そんなシンプルな事実を思い出させてくれる作品をご紹介します。

「麦本三歩の好きなもの」 住野よる

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特別なことは何も起こらないし、誰かが死んだりするような大事件もありません。

そこにはただ、いつもどおりの日常がある…言葉にするとそれだけなのに、なんだか当たり前の日々が愛おしく感じられる小説です。

シーア
シーア
おちゃめな図書館員、麦本三歩がかわいいんです!
ライト
ライト
「麦本三歩の好きなもの」を解説するよ!

「麦本三歩の好きなもの」住野よる|登場人物

タイトル通り、麦本三歩(むぎもとさんぽ)という名前の20代女子が主人公。

シーア
シーア
最初、「みほ」って読むのかなと思ったけど、普通に「さんぽ」だったよ。

三歩は、大学図書館に勤めている、ちょっと、いやかなり天然な女の子。

ライト
ライト
本人は、「天然」って言われるの嫌いなんだけどね…。

どうにも挙動不審に見えちゃうんだけど、そんなところも愛されていて、怖い先輩にも優しい先輩にも、仲良くかわいがられながら働いています。

謝るときや、真面目なシーンで、つい噛んでしまうのもご愛嬌。

ひとり暮らしで、ラジオとチーズ蒸しパンと朝寝坊が好きで、こってりしたラーメンを一人で食べに行き、お菓子はブルボン派。

好きな本に囲まれて、好きなものへの愛を語っている三歩は、とても楽しそうです。

もし、三歩にそう伝えたら「私だって、それなりに悩みがあるんでしゅから(噛んだ)」って言われる気がするけど。

シーア
シーア
実在の人物じゃないのは分かってるのに、リアルに思い浮かぶんだよね。
ライト
ライト
近所に三歩がいそうな気がしちゃうよね!

おっちょこちょいな三歩のことをクスクス笑いながら、ふと、「こんなふうに生きていられたら」と願ってしまう魅力があります。

「麦本三歩の好きなもの」住野よる|あらすじ・内容

麦本三歩の日常を、愛のあふれる三人称で綴る、連作短編集です。

物語の切り口は、すべて三歩の「好きなもの」。

怖い先輩に怒られたり、優しい先輩に慰められたり、おかしな先輩にからかわれたりしながらも、三歩は図書館での仕事が好き。

シーア
シーア
そうそう、三歩以外の登場人物は、みんな名前が出てこないんだよ。

きっと、三歩から見た世界、三歩から見た周囲の人のことを語っているから、脳内で呼んでいる勝手なあだ名でしか出てこないんです。

ライト
ライト
ときどき「怖い先輩」って、面と向かって口から出ちゃったりするけどね。

本当に、大きな事件は何もなくて、普通の女の子の普通の日々を描いています。

例えば、図書館で、優しい先輩の利用者への注意の仕方が素晴らしくて、「人への怒り方を教えてくれませんか」と言ったら、デートと称してボランティアに付き合うことになったり。

大学時代の男友達と水族館に行ったり、母親が懸賞で当てた温泉旅行をちゃっかりもらって美人の親友と旅行したり、そんな非日常も。

シーア
シーア
普通のエピソードだからこそ、三歩の温度感が際立つのかもね。

嫌いなものより、好きなもののことを語ろう。そのほうが人生は楽しい

現代は、好きなものを好きというよりも、嫌いなものについて語られることのほうが多い時代なのかもしれません。

SNSの浸透のせいもあって、ヘイト・ディス…ネガティブな発言が目立っています。

だけど、三歩のように、好きなものについて考えたり語ったりしたほうが、きっと幸せに違いありません。

シーア
シーア
当たり前だけど…そう言われると、ようやく実感することってあるよね。

いつもそばにあって当然だと思っているものに、あえて「これが好き!」って毎日言わないと思うんです。

だけど、三歩は「これが好き」って自覚している。それがどんなにかけがえのないことかは無自覚だけど。

日々がつまらない、味気ないという人は、三歩を見習って、自分が好きなものについて考えてみてはいかがでしょうか。

ライト
ライト
すぐそこにあるものの素晴らしさに気づくかもしれないよ!

住野よる|独特の言葉選びや感性が魅力の作家

住野よるさんは、これまでにも話題作を次々に書かれている、今注目の作家さん。

もともと、ライトノベルを書かれていた方で、エンタメ色の強い作品が多い印象。

だけど、軽いテイストのようで、実はじっくり考えさせられるテーマも秘められていて、読み返すたびに深みが増すんです。

ハッとさせられる言葉のチョイスに、心をつかまれる人が続出しています。

シーア
シーア
中性的なペンネームだから、女性かと思っていたけど、実は男性なんだって!

これまで読書をしたことがない、マンガやゲームのほうが好きという層もトリコにする読みやすさが魅力です。

住野よる「君の膵臓をたべたい」は、映画化されたタイトルです
「君の膵臓をたべたい」住野よる|衝撃的なタイトルと、「僕」の名前に込められた意味膵臓の病気でわずかしか生きられない少女と、誰とも関わらず名前のない少年のお話。ふたりはどんな時間を過ごすのでしょうか。死に向かいながらも懸命に生きるのは、人間みんな同じこと。誰かと関わることで、自分が生きるのです。最後に「僕」の名前が明かされるのにも意味があります。衝撃的なタイトルの意味がわかった時、涙があふれますよ。...

続編にも期待が高まる! 住野よるさんがTwitterで明言

読み終わったあとも、どこかで三歩が元気に暮らしているかのような錯覚に陥る作品。

シーア
シーア
三歩の日常は、ずっと続いていくような気がするね!
ライト
ライト
これは…続編もきっとあるね!

作者の住野よるさんのTwitterアカウントでは、こんな発言をされています。


「麦本三歩の好きなもの」が重版かかったら出します、ともおっしゃっているので、これは期待できそうですね。

続編のタイトルは、きっと「麦本三歩の○○」で揃えるのではないかと、こっそり予想しています。

「麦本三歩の好きなもの」住野よる|ありふれた日々が輝き出す小説

麦本三歩という、ちょっと変わってるけど、どこにでもいそうな女の子が、すぐそこにいる気がしてきます。

彼女が、どんなものが好きで、どんなことに悩み、どんな喜びを感じているか。

人間にはいろんな側面があるので、この作品中で見せている姿以外にも、三歩の人生は奥が深いのでしょう。

私ももっと、自分の好きなものについて話してみたいな、と思わされる作品でした。

シーア
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シーア
年間120冊の本を読んできた経験から、おすすめの本をご紹介します。 「絵本講師」の資格を持っています。大人にも子どもにも絵本の魅力をお伝えしたい! 夫・男子ふたり・犬と暮らすワーキングマザー。 仕事も読書も育児も、自分のやりたいことを全部諦めない、欲張りさんです。好奇心旺盛で、いろんなことに興味があります。
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シーア
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