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「ボクたちはみんな大人になれなかった」燃え殻|自伝的なのに共感できる不思議な小説

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こんにちは。シーアです。(@seer1118b

シーア
シーア
ツイッターの140文字で、こんなに人の心を揺さぶることができるのか…。

私が燃え殻さん(@pirate_radio_)を見つけたときの、素直な感想です。

失礼な話ですが、才能にちょっと嫉妬しました。

いまや、Twitterではフォロワー20万人を超える有名人。

情景が浮かんでくるような、胸にギュッと刺さるようなツイートが人気なんです。

そんな燃え殻さんが、自伝的小説を出版されました。

シーア
シーア
そりゃ、読むしかないですよね!

「ボクたちはみんな大人になれなかった」燃え殻

この記事では、Twitterで叙情的な140文字を操る燃え殻さんの小説「ボクたちはみんな大人になれなかった」をレビューします。

「ボクたちはみんな大人になれなかった」のあらすじ

主人公の「ボク」は、43歳独身で、東京のテレビ美術制作会社で働いています。

ある朝、通勤電車の中で、Facebookの「友達かも?」の中に、ある女性の名前を見つけてしまう…。

それは、ボクがかつて、ただひとり好きになった人でした。

操作を誤って、彼女に「友達申請」をしてしまったことから、彼女との思い出、過去に出会った人たち、人生のひとつひとつを振り返ります。

シーア
シーア
主人公は、燃え殻さんそのもの、ご本人の投影です。

ひとつひとつのエピソードは、本当のこともあれば、フィクションも混じっているといいます。

どこからどこまでがエッセイで、ここから先は小説、と分けられるものではありません。

ですが、言葉のリアリティは凄まじくて、これがこの人の辿ってきた人生の深みなのだ、と思わされます。

「キミは大丈夫だよ、おもしろいもん」と言ってくれた、ブスの彼女

彼女は、ダサいことが何より嫌いで、目的地を決めないまま出かけるのが好きで、前衛的でハイセンスすぎる映画や音楽を好む、個性的な「ブス」でした。

シーア
シーア
この「ブス」という言葉に、女性はちょっとモヤモヤするかもしれません…!

いくらなんでも、自分が好きだった人に、作品の中とはいえ、「ブス」ってひどくない?

だけど、そんな「ブス」の彼女の良さを分かるのは自分だけだと思っていた…。

人生を振り返って、ただひとり、代わりがきかなかった彼女。

彼女のすべてが正義になる、恋の魔法に初めてかかった人。

「キミは大丈夫だよ、おもしろいもん」と、存在を全承認してくれたこと。

いつまでも、思い出にさせてくれない人。

読み進めていくと、決してボクが彼女を軽んじているわけではなくて、むしろ深い愛情の裏返しなのだとわかります。

ライト
ライト
うまく伝えられなかったけど、本当は、誰よりも大事に思っていたんだね。
シーア
シーア
だけど、そんなんだから、うまくいかないんだよね…。

バブル期のテレビ業界の闇。いつか壊れる世界

バラエティ番組のフリップ制作など、裏方ではあるものの、テレビ業界のそばにいたボク。

バブル期は、華やかで狂ったような大盤振る舞いのパーティーが、そこかしこで開かれていました。

シーア
シーア
ビンゴの景品で、1万円札のつかみ取りとか…!

多くの人は、時代の流れに乗っかって、一緒に浮かれてしまっているように思えます。

だけど、こんなこと、いつまでも続かない。いつか壊れる。

そう感じて、怖くなってしまう、ボクの感覚は、とてもフラットで正しいのです。

自伝的なのに共感できる、エピソードの数々

最初は、WEBサイト「cakes」の連載として始まりました。

単行本化にあたって、大幅に加筆修正をしたそうです。

シーア
シーア
cakesでの連載もときどき読んでいたけれど、また違った印象を受けたよ。

若い頃にアルバイトをしていた、ブラジル人がたくさん働いているエクレア工場。

「デイリーan」の、文通相手を探すコーナー。

ノストラダムスの大予言で滅びなかった人類。

バイクで事故って誰も助けてくれないときに、唯一助けてくれたヤクザの男。

「もしかしたら」なんてない、誰のものでもない、ひとりの男の人生を描いているはずなのに、なぜか共感できるのです。

その理由は、心の柔らかいところを選んで突き刺してくる、叙情的な燃え殻さんの文章にあります。

始まってしまったボクたちは、いつか終わる運命にある。必ず夜が朝になるように、必ず朝は夜になる。ただその必ずが今日なのか、明日なのか、20年先なのか、それは誰にも分からない。

「人生、早く終われ」と思ったり、「このままどこかに行ってしまいたい」と黄昏れたり、「生きててよかった」と肯定したり…。

いろんなことを経験してきた人にこそ、響く言葉が散りばめられています。

シーア
シーア
アラフォー世代にこそ、オススメしたい本です。

関連記事

彩瀬まるさんも、心の柔らかいところを突いてくる作品を描かれます。

「ボクたちはみんな大人になれなかった」が好きな方はきっと気に入るはず。

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シーア
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