こんにちは。シーアです。(@seer1118b)
働くお父さん、お母さん、そして子どもたちの、強い味方になる絵本をご紹介します。
大人が感動する絵本の中には、子どもに読み聞かせるには適さないものもあります。
ですが、「よるくま」は、お母さんの心も、子どもの心も救われる気持ちになるのが特徴です。
「よるくま」の絵本データ
酒井駒子さんの絵は、本の表紙やポスターなどでよく見かけるのではないでしょうか。
絵本作家としてではなく、イラストレーターとして知っている方も多いかもしれません。
もともと油絵を学ばれていて、絵本作家としてデビューされた方なんです。
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可憐で繊細なのに、どこか暗いストーリーを背負ったような絵に、女性のファンが特に多いんです。
「よるくま」のあらすじ
夜、眠りにつこうとした男の子がお母さんに語りかけます。
「ママ、あのね…」
あのね きのうのよるね、うんとよなかに かわいいこが きたんだよ。トントンて ドアを ノックして
よるくまという、かわいいくまの子がうちに来たこと。
よるくまは、寝ている間にいなくなったお母さんを探しに来たのです。
男の子は、いっしょにお母さんを探します。
もしかして、よるくまの好きなハチミツを買いに行ったのかな?
もしかして、よるくまとよく行く公園にひとりで行ったのかな?
もしかして、もう先におうちに帰ったのかも?
でも、どこにもいない…よるくまは、ついに泣き出してしまいます。
「おかあさんは? おかあさんは?」
よるくまの涙は、夜みたいにまっくろくて、あたりが暗くなってきます。
「わぁ、まっくら!」
そこへ、流れ星が飛んできて…よるくまのお母さんのところへひとっ飛び。
よるくまのお母さんは、お魚を釣るお仕事をしていたんです。
ああ あったかい。おまえは あったかいねえ。きょうは このまま だっこして かえろう。
あしたになったら おさかなを やこうねえ。あさごはんにたべようねえ。
よるくまと男の子は、よるくまのお母さんに抱っこしてもらって、無事ベッドで眠りにつくのです。
「よるくま」の魅力を解説
「よるくま」が素晴らしいポイントを、3つピックアップします。
- 働くパパ・ママを応援する絵本
- 男の子はよるくまを守ることで成長する
- 親子であたたかい気持ちになれて、愛を確かめ合える
働くパパ・ママを応援する絵本。誰も責めない、傷つけない。
働くお母さんは、様々な葛藤を抱えているものです。
特に、子どもが未就学児の場合、親と離れるのを嫌がって泣いたり、保育園で病気をもらってくることも多々あります。
会社も休みがちになったりして、「なんのために働いているんだろう」「仕事も子育ても中途半端…」と悩みますよね。
仕事は責任をもってやりたいし、だからといって、子どもと過ごす時間をないがしろにしたくもない。
この絵本で、よるくまは、お母さんを探してさまよいますが、最後にはお母さんに抱っこしてもらって、安心して眠ります。
だから、眠る前の安心感さえあれば、きっと大丈夫と思ってほしい。
だって、この絵本に出てくるお母さんと、同じことしていますよね?
子どもが寝る前の、つかの間の時間に、精一杯子どもと向き合い、話を聞いてあげる…
夢か空想かわからない、よるくまが家に来た話を、じっくり聞いているお母さん。
自分を責めても、子どもにとっては、何もプラスになりません。
よるくまのお母さんみたいに「お母さん、お仕事してたの」と、明るくカラッと言えばいいんじゃないかな。
男の子はよるくまを守ることで成長する
この絵本では、男の子がよるくまのお母さん探しを手助けをする形で進んでいきます。
まるで弟のように、小さな子の面倒を見るように。
きっと、男の子のお母さんはお仕事をしていて、日中保育園に通っているのかなと思います。
男の子は、よるくまに寄り添ってあげることで、自分の寂しい気持ちに、折り合いをつけているのではないでしょうか。
自分がしてほしかったことを、よるくまにしてあげる。
男の子は、よるくまがお母さんを見つけたことで、一緒に安心感を味わいます。
よるくまと自分を重ね合わせて、追体験しているのです。
だから、男の子は最後に眠りにつくとき、満足感でいっぱいの、とてもいい表情をしています。
親子であたたかい気持ちになれて、愛を確かめ合える
確かに、専業主婦(夫)のおうちと比べて、共働きのご家庭は、親子が一緒にいる時間は限られています。
でも、働くのはお母さん自身のためだけではありません。
お仕事をするのは、自分のためだけじゃなく、家族のため、子どものためでもあります。
お父さんやお母さんが働くから、ご飯が食べられます。
服や自転車も買えるし、旅行に行く余裕だってできます。
大きくなって、なりたい職業や夢ができたら、そのための教育を受けさせてあげられる。
子どもも、立派な家族の一員。
元気に保育園(や幼稚園)に行って、お友達といっぱい遊ぶことが、仕事でもあるのです。
ポジティブに輝く、パパとママの背中を見ながら、「大人になるって、いいこともあるな」と思えるように。
ときには、寂しい思いをすることもあるでしょう。
でも、一緒にいる時間の長さじゃなく、その濃さを大事にしたい。
だけど、こうやって絵本を読んで、満たされて眠りにつくことができれば、子どもも分かってくれていると信じています。
よるくまのお母さんのように「明日は○○しようね。だから今日はもう、おやすみ」と言って電気を消すと、落ち着いて眠れますね。
「よるくま」は、長男の保育園時代を思い出す絵本
長男は1歳2ヶ月から、次男は10ヶ月から、保育園に通っていました。
私は、ずっと正社員のまま働き続けていたので、だいたい1歳くらいで、産休・育休が終わるのです。
それでも、先にお迎えに来たお母さんとお友達を見ていると、複雑になることもありました。
それに、お友達とケンカして泣いたことも、もちろんあります。
だからこそ、よるくまのお母さんのように、明日への希望や、楽しいことを言って眠るのって、とってもいいと思います。
大人も感動できるけれど、大人向けの絵本ではない
大人が感動する絵本の中には、子どもに読み聞かせるには適さないものもあります。
なぜなら、大人を感動させるために、無理に子どもを無邪気で健気な立場として描いている場合があるからです。
ですが、「よるくま」は、大人向けの絵本というわけではありません。
きちんと、子どもが安心できるように、真摯に作られた良質な絵本です。
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